こんにちは。KoKeBeeのIkukoです。本日私がおススメするのは、シドニーの青空と同じ色のブックカバーに、白抜き細めのコミカルなフォント、タンポポ色の帯とのカラーバランスがなんともおしゃれなこちらの一冊です。
末吉里花さんとはこの時に初めて聞くお名前で、一体誰なのか全く知らずに、本の表紙とタイトルだけを見て購入しました。
後から分かったのですが、この方はテレビ番組・「世界ふしぎ発見」のミステリーハンターをされいてた方だそうです。この番組のレポーターとして、アフリカのキリマンジャロ山頂を試みた時、出発前に山のふもとに住む子どもたちと、ある約束をします。それは、「山頂の氷河の様子をしっかり確認してくる」ということ。当時既に、山頂の氷河は、地球温暖化によって、元あった面積のたった2割ほどしか残っていないと言われていたのです。
里花さんはキリマンジャロを4日間かけて登山しますが、富士山よりも高い標高に高山病になり、死を目の当たりにします。その彼女の心と身体を救ったのは、太陽でした。太陽の光とエネルギーが彼女の身体を温め、子どもたちとの約束を思い出させ、登頂の勇気を与えてくれたのです。
そして、やっと辿り着いた山頂で、自然への感謝の気持ちが心の底から湧き出たのと同時に、ほんの少し残された雪の残骸だけの氷河をみて、地球がどれだけ危機的な状況であるかを肌で感じたそうです。
そんな里花さん。今ではこの本の表紙にもあるように、一般社団法人エシカル協会の代表理事としても活躍されています。
エシカルは「私にいい」、そして「世界にいい」
「環境問題を取り扱った本」というと、「なんだか難しい!」「これから先どうなるの?」と、急に不安で途方にくれるような気持ちになっってしまったりとか、逆に「やるぞー!」と勇気をもらって、とてもポジティブな気分で何か行動起こしたくなったりとか、読後の感想は、ひとそれぞれ……となりがちです。でも、この本を読んだ後は、なんだかとってもフラットな気持ち。今の毎日の生活を眺めて、一つひとつを丁寧に見直していく。それだけでいいんだ! と感じました。
怖くもなければ、不安な気持ちも、難しいことも全くない。毎日の暮らしの中で、普段やっていることを少し丁寧に変化させるだけ。全然チャレンジじゃない。昨日までの自分と、ほとんど変わらないけど、ほんのちょっと、前に進むだけーー。そんな感じなんです。
本の1ページ目には、タイトルにもなっている「エシカル」と言う言葉の説明があります。
“「エシカル」とは、もともと「理論的な」「道徳的な」という意味です。真面目でかたい言葉ですが、簡単に言い換えることができます。それは、「私たちの良心と結びついていて、人や社会、環境に配慮されている」ということ” ※引用元:末吉里花(著)/はじめてのエシカル
ちょっとおしゃれなイメージの言葉ですが、実はとってもマジメでまっすぐな気持ちを表す言葉なんですね。序章の後半にこんな文章もありました。
“実は、私たちは特別なことをしなくても、今のままで「世界を変える」驚くような力を持っています。それは何か。自分のお金を使って、ものを買う力があるということです” ※引用元:末吉里花(著)/はじめてのエシカル
これが、きっとこの本で一番伝えたかったメッセージなんだろうな。って思います。消費者である私たちは、消費することで世界を変えることができる。だから、自分が汗水たらして働いて得たお金を、どんな物やサービスと交換するのかについて、マジメにまっすぐ考える。「それによって世界が変えられる」と、言っているのです。
「不買い運動」とか、「ボイコット」という言葉があったりますが、里花さんが提唱しているのも同じこと。「自分の大事なお金をこの人に届けたい。この会社に届けたい」。そんなふうに良心に従った気持ちを行動にし、ボイコットならぬ、「バイ(Buy)コット」をしようと提案しています。
それには、「この世にあふれているいろんなモノやサービスが、どんな仕組みで自分の手元に届いてきているのか」を、少しだけ詳しく知る必要があります。そこで、この本では、さまざまな商品やサービスが、大きな流通の中でどんなプロセスを経て消費者の手元に届いているのかについても、分かりやすく教えてくれているんです。何気なく過ごしている毎日の生活や私たちの消費行動が、世界のどこかの誰かの苦しみの上で成り立っていることに、気付かせてくれます。
さらに、里花さんの目で見て「いいな」と思った人々や会社、商品についても紹介されていて、そのストーリーを読むのも興味深いし、新しい発見もあり、とっても便利なのです!
新しい発見について、次回に続く・・・