オーストラリアABC局のWar On Waste(ゴミ戦争)
シリーズ2 エピソード3 最終回のレポートです。
それぞれの写真にレポート記事があるので、一枚づつ見てくださいね。
オーストラリアにお住いの方は以下から番組を視聴することができます。
https://iview.abc.net.au/show/war-on-waste

アムステルダムで行われたPlastic Attackの運動。
スーパーでプラスティックに包装された食品のパッケージをその場で 開封しスーパーのカートに入れてさってゆく。
それをsydneyでやってみる。

スーパーALDI
プラ包装に包まれたまとめ買いだと大量のため使いきれずに捨ててしまうことにもつながる。
バナナも皮むいて食べるだけなのに、どうしてプラ包装されているの?
トウモロコシだって皮付きのまま売れば乾燥しないし長持ちする。 それを皮をむいて、食べやすい大きさにカットして、それをプラ包装して販売されている。 消費者の利便性のために人手も包装コストもかけているんだ。 これが私たちが地球にやってしまっている仕打ち。
プラスティックアタックをやって、スーパーのスタッフや周りの人たち、誰にも止められなかったけど、ALDIにこのメッセージが届くことを祈ろう。

Woolworths
organic食材全部プラ容器に包まれているのはどういうこと?
見てくれ基準に満たない「ぶさいく野菜」を安価で販売するシステム。
農家の人たちを応援する意味ではすごく良いのに、なんでその為にプラゴミを増やさなくっちゃいけないの?
プラ包装はスーパーに返して、リサイクルしてもらおう。でもやっぱり必要ないものににプラ包装すべきでない。
だからスーパーに圧力かけよう。僕たちプラ包装なんていらないんだ。
リサイクルするよりも元々プラ包装しないほうがいいに決まってる。
#plasticfreeproduce

オーストラリアでは毎年1.25ミリオントンの家庭からでるリサイクルゴミを中国に送っていた。
でも今年の1月から中国は紙とプラのゴミを受け付けなくなった。
中国のゴミ処理施設が各国からゴミを集めるための費用を払わなければいけないくらいに買取価格が急落したから。
理由の一つは、リサイクルゴミに、リサイクルできない物がたくさん混じっていることも挙げられる。
オーストラリアのカウンシルはリサイクルビンのごみを処理する新しいプロセスを探すことに集中している最中。
これが理由できちんとリサイクルビンに入れていて、リサイクルできる物質であるにも関わらず、埋め立てになってしまったり、良い処理法が決まるまで放置されているゴミが増えている。

クレイグはオーストラリアのゴミ処理協会のヘッドに会った。
中国にどれくらいの間ゴミ処理を頼んでいたのですか?
長い間です。その間私たちはゴミ処理をしなかったので、その処理方法を成長させる機会を失っていた。
今が挽回のチャンス。
プラボトルをリサイクルに入れて、もう一回ボトルとして使うことはできないの?
全然できない。
私たち地球に廃棄物を置いとくこともできない。もし95%の包装材が使い捨てなんだったら、それはいけないことでしょう。
消費者はもっと企業に声を上げるべきだ。
こんな包装は必要ないって。
中央政府は2025年までに全ての包装をリサイクル、再利用できる物に変更する目標を立てた。
だけどそれじゃぁ「今日」起こっている問題は解決されない。

食べ物ゴミは毎年 5.3Millionトンもあり、
一人220キロにもなる。
29%のオージーは外食した時に食べ物を残している。
お皿に提供された食べ物の15%ほどを残している。
人々は食べ物を残す「罪悪感」と、「友達の前で残したものを持って帰る事が恥ずかしい」と言う気持ちと両方を感じている。
え?お持ち帰りが恥ずかしいの?
おかしいよね?
お持ち帰りってすごいいいアイディアだから、また流行らそうよ。
食べ残したものを持って帰ることが違法だと思って人がいるけど、そんな事全くない。
外食産業で出るゴミの内訳。
40%が下準備の時にでるゴミ
2%は 腐らせてしまった生ゴミ
58%が食べ残し。

クレイグはどんなものを食べ残しているのか知りたくって、掃除おじさんに変装して見た。
フードコートで食べ残しを集めるクレイグ。
箱いっぱいに集められた食べ残し。
なんて無駄遣いなんだろう。
そしてここでは本当にすごい量の食べ物を捨てちゃってる。そんで全部埋め立てられちゃうんだ。
これらはメタンガスやグリーンハウスガスを作り出すんだ。埋め立ててしまうより、もうちょっと良い方法があると思う。
#nofoodtolandfill

メルボルンの有名な路地裏ではその答えを見つけたかもしれない。
Degraves Streetエリア。カフェやレストランがたくさんある地域。
ちょっと前まではここの生ゴミは全部埋め立てゴミとして処理されていた。
700キロの生ゴミを毎日埋め立てに送っていたけれど、今ではその70%を減らす事ができた。のを見に行った。

オーストラリアで初めての試み。
レストランやカフェで生ゴミを3種類に分ける。
生ゴミ
コーヒーカス
リサイクルできるもの
この施設では毎日100件のお店を廻ってこれらのゴミ回収している。レストランやカフェには余計な出費はかからない。
1日4、5キロのコーヒーカスが出る店も。
このシステムがなかったら、この店では毎日6、7袋のゴミが出てたと思う。
2013年に始まったこのシステムでは、以前は392トンの食べ物とリサイクルできるものが埋め立てになっていた生ゴミを、一年で130,000キロ処理している。

生ゴミは機械に入れて天然の微生物をスプレーした上で撹拌し代謝させ、完全分解している。

そして水を加えて液体にして下水処理する。
そこから出てくるバイオガスはエネルギーとしても使われる。

コーヒーカスは脱水して170度に熱すると質の良い土づくりの混合剤になる。コミュニティーガーデンや、カウンシル管轄の公園で使われる。

このプログラムでこの3月1ヶ月に、
メタンガス2.46キロ、
ディーゼル燃料725リッター
3.3トンの二酸化炭素
が削減できた。
以前はゴミの分別なんて全然していなかった街だけれど、今はコミュニティーの努力のおかげで良いお手本となり、世界中の国会議員が視察にやってくる。
これがアパートメントとかでも同じことできればいいよね。それだって小さなコミュニティーの一つなんだから。

オーストラリアが毎年3.1ミリオントンの食べれる家庭ゴミを出し、有機物のゴミは大きな割合を占める。なんでカウンシルはその問題を解決しようとしないんだろう?
一般ゴミの60%は生ゴミ。
この生ゴミがプラごみと一緒に埋め立てられている。
どうやったら解決できるの?
どうやったら生ゴミを埋め立てずにすむの?
まず最初に生ゴミや庭から出る有機物の収集サービスがあるのが問題。
なんでカウンシルはそんなことするの?
人々はゴミを分別する事に文句を言うわけ?
分別することが面倒だと思う人々の惰性があるので、そう言ったことを教育することが必要。

NSWのPenrithと言う地域。
FOGOと呼ばれるシステムが2009年に導入された。
これにより年間250.000トンの埋め立てゴミを減らした。
そしてカウンシルの経費を億単位で削減できた。
グリーンビンをチェックしてちゃんとゴミ捨てているか確認するカウンシルスタッフ。
コーンスターチでできたカウンシルが配っている生物分解できる袋で捨てているのはOK。
普通のレジ袋で捨てているのはコンポストされない。
住民への教育を行い、混在が30%から4%まで減った。
生ゴミと庭ゴミをグリーンビンに入れただけでこの地域では17ミリオンドルもセーブした。
グリーンハウスガスの発生を減らしたのは環境にとっても良いけど、他にも良いことがあった。
生ゴミを堆肥にして、それを販売することによって良い経済効果も作り出した。
きちんと分別できていないビンがあれば、黄色いシールを貼ってゴミ回収をしない。
分別の説明を書いた手紙を残してゆく。
ほとんどの人はその手紙を読んで次からきちんと分別してくれる。
それでもきちんと分別しない場合は、ドアをノックして挨拶し、話し合って解決策を探す。
例えば家族全員集めて「これって真面目な話なんだよ」って説明する必要があったり。
僕はティーンエイジャーがいて、家族全員が最新情報を持ってないことあるから、よくわかるよ。
僕は庭でコンポストやってるからいいけど、よく人に「私はアパートに住んでるからコンポストできない」って言われる。 そう言う人たちにこのシステムはすっごくいいと思うよ。
現在69カウンシルしか生ゴミのリサイクルはしていない。

環境庁の大臣Josh Frydenbergに何かゴミ問題に対して解決策を持ってるか聞いてみた。
前回会った時、彼は始終、責任転換に走っていた。
「環境大臣である、あなたがレジ袋廃止の最終権限を持ってるんでしょ。」
「それは各州によります。」
中国がゴミ受け入れ拒否してから、彼はもっとやる気出たのかチェックしにきた。
中国のゴミ受け入れ拒否からの危機をどうやって乗り切るんですか?
僕たちは今全てのりサイクリングキャパを使ってゴミを貯めているんです。
びっくりするかもしれないけれど、どれくらいのファシリティーがあるのかさえも把握していないんだ。
貯めておける量がどれくらいなのか、いっぱいになるまでにどれくらい時間がかかるかさえもわからない。
中国問題を解決するために投資していますか?
200ミリオン投資している。ゴミからエネルギーに変えるプロジェクトがあります。
それちょっとおかしいよね。
どうやってリサイクル処理したらいいかを考えなくてはいけないのに、エネルギーに変えるってことは、結局リサイクルできるものを燃やさないといけないことになる。
もうひとつは、2025までに包装剤を全て生物分解できるものや、再利用可能なものにかえることをターゲットにしました。
でも、それまだまだ先の話でしょう。
今回収されたリサイクルゴミは、そのままですよね。
それについては州政府と一緒にもうちょっと考えないと。

生ゴミが1年で7.6ミリオントンの二酸化炭素を作り出しているから、生ゴミ問題も考えないとね。 2030年までになんとかするって決めたのでしょう?
中央政府として、カウンシルに生ゴミを分別して集めるように要請とかしないの?
これも州政府が関わってきますね。
前回話した時に約束した、
「州政府にまかせるわ」って書いたTシャツをプレゼント。

ストロー
前回お願いしたNSW州内バルメイン地区のパブ3件。いずれも快くStraw No moreに協力してくれたが、チェックしに行ったらどこも店頭にストローを置いていた。
思っていたよりも浸透させるのは難しいみたいだ。

マクドナルドが2年でストローなくすって発表したけれど、あるバーガーチェーン店ではもうすでに変化を起こしていた。
年に1.7ミリオンのストロー使っていたが、店頭にストローの設置をやめ、必要な人にだけ紙製のストローを提供する。

Kaiama HS
初回から12週間後、3回目の訪問。
前回行った時には色々な改善策が取られていた。
ゴミの分別を導入。
ハンドドライヤーを導入してペーパータオルのゴミを削減。
canteenでリサイクル可能なパッケージで食べ物を販売。
授業で生徒たちへゴミ問題についての授業を取り入れた。
ゴミ戦士たちに再び集まってもらって、新しいリサイクルシステムがちゃんと機能しているか確認する。

最初の訪問では1ヶ月に2300ドルのゴミ処理経費がかかっていた。
カンティーンのかき氷は、生物分解可能なカップに変更し、ストローも紙製に変えた。
飲んでいるうちに水を吸ってストローが柔らかくなるので生徒からの文句もあるけれど、大きな変化が起こせた。

3ヶ月の結果、
学校は埋め立てゴミ処理の支払いを毎月700ドルも削減でき、代わりにリサイクル回収ボックスに持ってゆくボトルや缶で毎月$600ドルも利益が出ている。

学生達におめでとう!を伝えるクレイグ

E Waste
前回壊れたテレビに仕込んだGPSの追跡調査。
オフィスワークスの回収ボックスに入れたもの。
オーストラリアのリサイクルセンターに行ったけれど、その後サウスコリアに送られた。
そこがちゃんとしたリサイクル施設なのか調べてみた。
最初にオーストラリア国内で送られたリサイクル施設MRIのCEO Will に会いに行ってみた。
MKTNRという施設知ってる?
適性評価された施設で電化製品からゴールドや銅などの貴金属を取り出している企業です。
壊れた機械から価値のある部品を取り出しています。
ewasteが開発途上国に送られてることを懸念していましたが、この施設はそれを防ぐ防ぐための対策の一つなんだね?
下請け会社が環境に十分安全な方法で処理をしているかを確認することは私たちの義務だと思っています。
Willと話して、僕が捨てたテレビがちゃんとしたところに届いていると自信を持てた。

だけど、違法な電子ゴミビジネスを抗議している
Jim Puckett は、似たような実験を6ヶ月以上前にやった時の話をしてくれた。

オーストラリアのOfficeworksで42アイテムを5箇所の異なるエリアで追跡実験。
そのうち2つが香港の違法電子ゴミビジネスに行きついた。
一つは香港から次はタイに移動された。
以前タイのそう行った場所を視察した時に見た光景は、サーキットボードを燃やしてコッパーを抽出する異臭がただようひどい環境。

貴金属を適切に取り出す設備が整っていないため、その処理でダイオキシンやフロンガスが排出されて環境が汚染される。
ミャンマーから出稼ぎに来ている人たちを違法で雇っていて、彼らはe-wasteを運んで来た段ボール箱の中に住んでいて衛生的にも最悪。
1日にたったの数ペニーしかもらえない。

これはれきっとした犯罪行為。ちょっとした罰金ではすまない重犯罪だ。オーストラリアもその責任を取るべき。オーストラリア政府がこの情報にどう対応するか注目しよう。

ほとんどのケースではオーストラリアのテレビとコンピューターはきちんとリサイクルされているようだけれど、まだ電化製品ゴミをどこに持って行ったらいいか知らない人がいる。
そんな時はウェブサイトでお近くのポイントを探して見ましょう。
www.recyclingnearyou.com.au

いろんな人に「ゴミ戦争をやっていると落ち込む」って言われる。
今まで、そして今も広がっている世界中でゴミが環境を汚している様をを見ると落ち込む。
だけど、同時にたくさんの解決方法があり、すでにたくさんの人がいろんなチャレンジをしながら生活しているのを見るとちょっと元気が出てきます。
だけど、まだまだ長い旅だ。
20年後、過去を振り返って、「僕たち以前はリサイクル出来るものと食べ物と一緒に埋め立ててたなんて、なんて非常識だったんだろう。」って言えるようになりたい。
そのためには、僕たちは大企業や中小ビジネス、政治家達に圧力をかけ続けて変化をおこさなくっちゃいけないんだ。
地球から緑がなくなるなんて嫌だ。
現実的で長期的な解決策が必要だ。
それが僕たちをゴミ戦争の勝利へと導くんだ。
#WarOnWasteAU
