こんにちは
KoKeBee認定プラスチックフリー生活アドバイザーのまきです。
今日、紹介するのはオランダのBoyan Slatさんがデザインしたプラゴミを海から減らす「海のヒーロージェニ―」ことシステム002です。
- システム002とは一体何なのか?
- システム002を使いどんなことができるのか
について早速、お話ししていきますね。
ジェニーというニックネームを持つシステム002とは?
システム002とは、海のプラごみを減らすためにオーシャンクリーンアップから2013年に始まったプロジェクトで、開発されたのはかんたんに説明するととてつもない大きな網です。
大きな網といっても普通の網とは全然違います!
今回、行われた初めてのテストでは9000キロの海のプラごみを引き上げることに成功しました。
10個のジェニーことシステム002を5つの海洋に浮かばせたら、5年間で90%の海のプラゴミを減らすことができるという計算です。
今後、2040年までには、システム002を使い海のプラゴミの90%を取り除くことを目標としています。
ちなみに、余談となりますが、システム002の前にはシステム001が開発されていました。
システム001のニックネームはウィルソンです。
そして、この名前はトムハンクスの出演している映画(Cast Away)からきています。
海の事故にあい遭難してしまった配達員のトムハンクスは、嵐の中、波に流されて無人島に漂着しました。
それから、無人島で生き延びるために彼の冒険や孤独との戦いが始まり、物語のストーリーが展開していきます。
無人島の中を移動しながら高台に上がり、自分と一緒に嵐の中、遭難したパッケージを海側で再び発見します。
本当はクリスマスプレゼントに届けるはずだった荷物が無人島へ流れ着いていることに気づいたのです。
荷物が辿り着いた場所まで行き、プレゼントを一つづつ開けていきました。
そして、その中の1つにバレーボールを見つけました。
このバレーボールにウィルソンをいう名前をつけ、無人島でボールに話しかけながら孤独と戦い生き延びていました。
友達に話しかけるように暮らしていたのですが、このまま、この島にしても誰も助けにきてくれないと思い、最後に島を脱出しようと決意しました。
そして、いかだを作りいざ島を脱出したのですが、その際に嵐がきてそのウィルソンを無くしてしまったんです。
もしかしたら、ウィルソンは、今でもオーストラリアからサウスアメリカの海洋辺りをさまよっているかも知れません。
彼は無人島での困難もウィルソンがいてくれたからこそ、乗り越えて来れたんですね。
未来への希望の支えともいうのでしょうか。
システム1もきっと同じ様に海を救う希望の星という思いが込められていたのかも知れませんね。
そして、今日紹介するシステム002は、システム1のバージョンアップ版です。
ちなみに、システム002 ジェニー(JENNY)という名前は、同じくトムハンクス主演の映画より「フォレスト、ガンプ」で彼が恋した女の子の名前です。
2代目はシステム001よりも、もっとプラスチックゴミを効率よく、そして、効果的に取り除くことができるように推進したものだそうですよ。
海のプラごみと一緒に魚も網に引き上げてしまわないの?

大きな網を使うんだったら「魚も一緒に大量に釣りあげてしまうのではないの?」
きっと、あなたはここで私と同じ疑問を持つかも知れません。
気になったので、実際はどうなのか調べてみました。
結論から言いますと、海の生態系には影響は及びません。
秘密はこの計算させた網の作りやスピードなどにあります。
まず、始めに、この大きな網の動くスピードは1.5Knot(ノット)です。
ノットというのは、海里毎時速度の単位です。
分かりずらいですが、1.5ノットは人が1歩1歩と歩くくらいのゆっくりめの速さです。
なので、魚が入ってきても、またそのまま泳いで網から出ることができます。
普通の漁用の網の場合ですと、網目も細かくすごい速さで一気に引き揚げますよね。
それが普通の網とは違うシステム002のすごいところです。
このシステム0002は普通の漁用の網とは全く違う作りというのは具体的に以下のものがあります。
- リリースシステム(魚が逃げれるシステムが考えられている)
- エスケープ、ルート(魚の逃げれるような網の構造)
- カメラ(視覚的にも確認できるようになっている)
など、海洋生物を一緒にすくいあげてしまわないように、徹底的に計算させて網の構成がされているんです。
プラごみだけをすくい上げて、魚は網から出れるような仕組みになっているというのはすごく画期的ですよね。
実際に網を使い、ゴミを引き上げている動画はこちらからどうぞ!
もしくは下の青い文字をクリックして下さい。
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実際にはどんなゴミが多いの?

実際に、海に流れつくゴミはどんなものがあるのでしょうか?
一部を紹介したいと思います。
- クレイ(ミルクやビールなどの配達の際に使われる正方形のプラスチック容器)
- 冷蔵庫
- 子どものおもちゃ
- 歯ブラシ
- トイレの便座
- タイヤ
- 漁用の網
- ボール
驚いたことに、このクレイは、世界中の色んな言語で書かれたものが集まっていました。
その中には、日本語の製品もありました。(某有名なお酒やさんのもの。)
色んな国から、太平洋にゴミが流れ着いているということが分かりますよね。
すくいあげられた大量のプラごみは何処へいくのか?

インスタのコメント欄を読んでいくと、プラスチックゴミを拾い上げても、またそれをランドフィル(日本は燃やしますが、海外ではプラごみを埋め立てる国もたくさんあります。それをランドフィルといいます)にしてしまうのでは、結局海にまた辿り着いてしまうのではないか?
というコメントが多々ありました。
拾い上げても、結局、最後にまた海に流れ出てしまっては永遠に終わりがないですよね。
それでは、ゴミの追いかけっこで解決にはなりません。
そこで、次回の記事では、オーシャンクリーンアップでは、これに対してどういった対策をしているのかをお伝えしますね。
次回の記事を楽しみにお待ちください。