オーガニックのWaxを探していた
KoKeBeeのみつろうエコラップの原材料はオーガニックコットン、ミツバチの巣の材料となっている蜜蝋(Beeswax)が主な材料です。
ほかのブランドさんでもオーガニックをうたっているところはたくさんあるのですが、私たちは原材料に深いこだわりを持って、最良の品を探していました。
なぜなら私たちは、このかわいいみつろうエコラップを使うことでプラスチックの使用量を減らしたいだけでなく、ミツバチを守りたいと言う思いも持っているからです。
今世界的にミツバチの数が減少していると言うニュースを耳にしたことがあるでしょうか。
ミツバチは、全世界の農作物の7割を受粉していて、ミツバチがいなくなると私たちが食べるお野菜がなくなるばかりか、家畜の飼料も育たなくなるのでお肉や乳製品も食べれなくなります。そして繊維も取れなくなるので着る物にも困ることになるのです。
そのミツバチの数が世界的に減少している原因の1つに農作物にかけられる農薬(化学肥料や殺虫剤、除草剤など)が挙げられます。
KoKeBeeでは農薬の使用量を減らすために、オーガニックコットンの布生地を中心にみつろうエコラップを作っています。
そしてそこで欠かせない原料となるのが、ミツバチの巣の材料である蜜蝋(ビーズワックス)です。
実はミツバチの育て方(養蜂)もさまざまで、その育て方によって、出来上がるミツロウの質も大きく変わってきます。
例えば、農作物の受粉を助けるために農薬の巻かれた畑にミツバチの巣箱を持っていって受粉させたり、山の中に巣箱を設置してミツバチが自然に赴くままに花粉を集めてくる育て方もあります。
KoKeBeeとしては自然な生活をしているミツバチが作った蜜蝋を使ってラップを作りたいのです。
そんな蜜蝋を探し求めていた時にとあるウェブサイト見つけました。
見つけたその会社は蜜蝋を主成分としたキャンドルの製造がメインですが、ミツロウの販売もしていたのです。

ウェブサイトで見つけた、こだわりの哲学
そのウェブサイトは、ビジュアルがまずすごく素敵。
シンプルかつ写真が美しく、色のトーンが統一されていて、まずそのウェブサイトの美しさに引き込まれました。
そして中の文章を読んでいくとそのこだわりの深さに再度、感動したのです。
その詳細は以前のブログでもご紹介した通りです。
このウェブサイトを見て、「いつかこのメーカーに出向いて見学させて欲しい。この人たちに会ってみたい!!」と言う思いが募っていました。
そしてこの1月についにそのチャンスがやってきたのです。
話し出したらもう止まらない! 蜂への熱い情熱
1月26日土曜日。やっと念願のこのメーカーの門をくぐりました。
そこで出会った創設者のJeffreyは、どこまでも澄んだ青い瞳と、真っ白でカールした髪と、白いリネンの上下がとっても似合う紳士でした。

彼は想像以上にオタクで、ミツバチの話をし出したら止まらない!彼のロウソクは世界中から注文が入るほど人気で、一番の輸出先はドイツと言っていました。
彼が招き入れてくれたウェアハウスには、オーストラリア中から集められたミツロウのブロックが山積みになっていました。
ひとつのパレットに約1トンのミツロウ。全部で7トンほどあるそうです。
これを溶かして、ケミカルや不純物を取り除き、ロウソクを作ります。

100年前から続いている製法、そして100年後にもずっと続けていけるサステナブル(循環型)製法
ここでは敷地内に雨水を溜めるタンクをいくつも設置し、その雨水をつかって、ミツロウを湯せんにかけて溶かします。
水道水を使ってロウソクを作る場合、水道に含まれる塩素がミツロウに溶け込んで、ろうそくを灯した時に、塩素成分が気化し、それが呼吸として人間の体に入り、肺から毒素が吸収されて深刻な健康被害をもたらします。
ミツロウやSoyなどナチュラルなキャンドルを含む、ほとんどのロウソクに塩素の混入が認められているそうです。
そんな被害が起こらないよう、Jeffは雨水で湯せんする事にこだわりと誇りをもってロウソクを作っています。
そして地元のマカデミアナッツ農園から、破棄処分されるナッツの「殻」をもらってきてそれを燃やして雨水を温めています。
温める部屋は太陽光がたくさん入るようにガラス張りのサンルームになっていて、部屋の温度を上げる事により火力に使うエネルギーが最小限で済むよう工夫されています。
3日間お湯の温度を約80度に保って湯せんにかけ、純金のフィルターで不純物を濾して製品にしています。
製品化の過程でケミカルな物は一切使わない。
100年前から続いている製法、そして、100年後にもずっと続けていけるサステナブル(循環型)の製法にこだわっているのです。

今危機的な状況にある、オーストラリアの養蜂
そんな彼の行く手を阻む物があります。彼はその目に見えない大きなものと戦い続けています。
それは、
大手ハチミツ企業のCapilanoと、そのバックにいる中国。
Capilanoはスーパーマーケットで手軽に購入できるハチミツのメーカーです。
「100% ピュアなオーストラリア産のハチミツ」
と謳っていますが、本当はシロップで薄めていたり、中国産の農薬たっぷりハチミツを混ぜている。そんな企業なのです。
<参考資料>news.com.au 3 Sep 2018A report has accused Capilano and supermarket giants of selling fake honey
ABC News 3 Sep 2018Capilano, Australia’s biggest honey producer, and supermarkets accused of selling ‘fake’ honey
彼はオーストラリア中の養蜂家からミツロウを集めていますが、ミツバチ関連の商品が世界中で人気になっている今、オーストラリアのハチミツも、ミツロウも中国が買い占めて行き、Jeffの仕入れが難しくなって来ていると言っていました。
Jeffは「企業のビジネスは嘘つきばかりだ」と声を大きくしました。
オーストラリアで生まれ育った自然の恵みであるハチミツやミツロウを、そんな企業の利益のために取られたくない。と。
Jeffには他にも戦う相手がいます。
それは、ネオニコチノイドと呼ばれる、農作物に使われる農薬成分。
世界規模で問題になっているミツバチの大量減少の原因の一つと言われています(日本ではお米の栽培に大量にこの農薬が使われています)。
そのほかにも、ミツバチを脅かすバクテリアや害虫たち。どうあがいても逆らえない、天候の問題。などがあり、世界最高水準を誇っているオーストラリアの養蜂は、そのレベルを保つため、今正念場を迎えているともいえるのです。
Jeffの挑戦、それは「養蜂家を教育する」こと
あの美味しいハチミツや香しいミツロウを作るために、養蜂家達は多大な労力と努力が必要です。
それを安い値で大量に大手企業に持っていかれては、養蜂家の資金力がなくなり、設備も技術も知識も増えません。
Jeffは養蜂家達からミツロウを受け取ったら、感謝の気持ちを伝えます。
「素晴らしいミツロウをありがとう。すごく出来のいいミツロウだね。僕はこのミツロウに、これだけの対価を払うよ。でも、来年もっと質の良いミツロウに仕上げてくれたら、もっと高い値段で買うからね。」
18歳でミツバチに恋をしてから、蜂一筋のJeffery。
こうやって彼は、養蜂家たちを金銭面でサポートし、蜂の育て方やトラブルが起きた時のアドバイスをして、毎年、更に質の良いハチミツ、ミツロウを作るために、知識面のサポートもしています。
この地道な活動がCapilanoや中国などの大きすぎる相手と戦う武器になっているのです。
KoKeBeeの挑戦、それは「これを日本語で代弁して彼らの養蜂をサポートすること、そしてより多くの方々に、この素晴らしい最高水準に触れていただくこと」
私たちがこちらのメーカーから仕入れているミツロウも、仕入れごとに値上がりしており1年前の値段と比べると1.5倍。
でも、Jeffは決して自分の利益のために値上げしている訳ではありません。
今回の訪問で、KoKeBeeとしてできる事、「もっともっとこのメーカーをサポートしてゆきたい!」と心新たに思いました。
そして、Jeffから聞いた話を日本語で代弁して啓蒙活動を広げることも、KoKeBeeの使命だと思っています。
その為にこけびーアンバサダーさんとも協力しあって、ミツバチのこと農薬のこと「明日の、あなたの食べるご飯に直結するんだよ」って事を伝えてゆきたいのです。
そしてあなたにできること
この記事を最後まで読んでくださったあなたが、もし「何かしたい!」と言う気持ちになったとしたら。
ぜひお家の窓辺やお庭にミツバチの大好きなお花を植えてください。農薬や化学肥料を使わずに育ててください。
そして「本物のハチミツ」を選んで購入してください。
この日を振り返って
1時間という短い時間の間、ずーーーと喋りっぱなしだったJeffが最後に庭の巣箱から分けてくれた極上のハチミツ。

あの黄金色の液体と心まで甘くなった味は、きっといつまでも忘れない。
そして、この機会を実現に導いてくれた、親友の哲子ニコルスに、心から感謝します。
Thank you!
[…] 「きっと、KoKeBeeのみつろうはこだわり製法で作られてる(こだわりの詳しい内容はここから⇒ https://kokebee.com/northernlight/)と講義でちえみさんがお話ししたから、『貴重な蜜蝋』と感じて下さったんじゃないですか?嬉しいですね!!」と言ってくださった裕子さんの言葉に、私もまた嬉しくなりました! […]